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2009年 3月15日(日)

* 「三匹のおっさん」(有川浩)    [  読書  ]

 久しぶりの有川作品は、珍しく「自衛隊」とも「ベタ甘」とも異なる新ジャンル。もっとも、「武闘派」なのは相変わらずだけども(笑)。

 で、主人公は還暦を迎えた3人の「おじいちゃん」たち、息子夫婦に店を譲り自分は手伝いに回ったコワモテで柔道が得意な元居酒屋店主と、サラリーマンを定年退職し近所のゲーセンに再就職した剣道の師範、そして、娘と二人暮らしで細々と工場を経営する機械いじりが得意な経営者。3人は子供のころからの付き合いで、ガキの頃には「悪ガキ」で鳴らした前科も持つジジイたち。
 もっとも、昨今の還暦は「おじいちゃん」と呼ばれることには抵抗があるっていうか、本人たちはまったく「おじいちゃん」とは思ってないわけで、っていうか『ジジイと呼ぶな、おっさんと呼べ』と自ら宣言しちゃうような人たちだから(笑)。
 そんな3人の「おっさん」に、孫と娘の高校生コンビが絡んで立ち向かうのは、空に浮かぶ怪しげな生き物だったり、海から上陸してくるデカいエビじゃなく、日常にごく普通に潜んでいる「詐欺」だったり、「痴漢」だったりする身近な悪。
 基本的に彼らはスーパマンでもなければ世直し隊でもないので、大がかりな悪者退治をするわけじゃないんだけど、それでも身内や近所に見える「悪」を見逃さずに懲らしめるために、3人で勝手に自警団「三匹のおっさん」を結成して活躍するんだけど、これがなかなか痛快というか(^^)。

 全6話の短編集で、それぞれの話の展開も早いのですんなり読み進められるんだけど、それぞれのおっさんのキャラが立ってるので、実にわかりやすい展開なんだよなぁ。3人のうち、いちおうは「頭脳派」に分類されているおっさんが、実は一番危なかったりする設定も良いし、脇の高校生コンビ、とくに孫の男の子とおっさんたちの微妙な信頼関係ってのも、スパイスとして良く効いてる感じだね。
 あと有川さんの作品だけに「甘ラブ」な話も皆無じゃなくて、それはそれで楽しめるようにもなってるから、その方面の充足感も大丈夫ですわ(笑)。

 久しぶりの有川作品だったけど、相変わらず満足の一冊でありました(^^)。

Posted by “Lupin” on 2009/03/16 00:36:55
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